これから不動産投資をはじめようと検討している方の中で、中古区分マンションなら数百万円で買えそうな気がするけど、どんなところをチェックしたらいいのか分からないのではないでしょうか。
そこで、物件資料を入手した際に具体的にどんなところをチェックするのか、購入判断をしていく方法をウラケン不動産の動画を参考にまとめてきます。
物件資料を見た時に最初に見るところは物件名です
物件名をみればどこのディベロッパーがつくった物件かわかる場合が多いからです。
慣れてくればシリーズ名と築年数がわかればその年代の流行りの間取りだったり、外装内装のある程度の仕様が分かるので物件名と価格さえ分かればすぐにでも買付がだせるようになります。
最寄り駅と、最寄り駅からの距離
中古区分マンションは駅から近いことにこしたことはないですが、駅チカの物件はそれなりの価格がしますし、その分利回りも低くなります。
仮に駅から遠くても同じエリアに同じ間取りの賃貸があるのか、あるならいくらで貸しているのか賃貸ポータルなどで調べてみましょう。
また、実際に現場付近を歩いてみてライバル物件を外から覗いて実際の稼働率を調べると完璧です。
こうして賃貸需要があって目標とする利回りがとれるなら投資に値する物件となります。
物件価格
立地や築年数が一緒なら家賃はそう変わることはありません。その物件をいくらで買うかでリターンは決まってくるのです。
なので投資をする際には家賃相場や築年数を考えて、目標とする利回りを決めておく必要があります。
家賃
基本的に家賃は同じエリア内に同じような物件があればその家賃相場を調べて、その家賃が相場と比べて適切かどうか調べます。
家賃が相場より高ければ今の入居者が長く住んでいることが考えられますし、次の入居の入れ替えの際には家賃は下がりそうだと判断できます。
不動産投資は比較的長期で行うものなので将来の家賃を予測しつつ投資の判断をする必要があります。
管理費と修繕積立金
区分マンション投資ではここをチェックするのがとても重要で、その負担が家賃の何%かかるのかをチェックすることがとても重要です。
管理費とはマンションの共用部の水道光熱費や管理会社の経費になります。
修繕積立金はエレベーターや建物のメンテナンス代として毎月積み立てられるものです。
この合計が家賃の1/3を超えるとキャッシュが出にくくなるので、一般的に投資としては難しくなるでしょう。
また、この内訳は管理費よりも修繕費が多いほうが望ましいと思います。
なぜなら管理費は支払ったら終わりですが、修繕積立金は将来の大規模修繕の資金としてオーナーの資産となるからです。
総戸数
区分を買うときには全体の個数をチョックするのが重要です。戸数が多ければ多いほど積み立てられる修繕費が多くなるからです。
将来追加の修繕費が発生した場合も、戸数が多い場合は1戸あたりの費用負担も少なくて済むので戸数が多いほうが一般的には有利だといえるわけです。
間取り・平米数
部屋の広さは家賃と同じで立地によって相場があります。
例えば3点式ユニットバスはダメだと言われますが、家賃との兼ね合いなので一律にダメだということではありません。ただ、最近は洗濯機置場は部屋の中にあるかどうかは重要かもしれないです。
家賃は立地と部屋の広さによって変わってきますが、都心に近づけば近づくほど狭く、都心から遠ざかるほど広くなります。
都心から遠いのに部屋が狭い場合は家賃を安くしなければいけないか、そもそも競争力がない可能性があるのでその辺のバランスをチェックします。
ちなみにファミリー向けの区分を買って出口で実需への売却を考えている場合、住宅ローン控除の対象となる50平米以上を狙うようにした方がいいです。なぜならそのほうが出口戦略の選択肢が広がるからです。
築年数
築年数をみて旧耐震か新耐震かどうか判断します。
1981年6月以降に確認申請を取得した物件は新耐震、それ以前に取得した物件であれば旧耐震ということになります。
基本的には新耐震基準で建てられた物件に投資するほうが安心ですが、旧耐震でも大規模修繕が済んでいて耐震補強済みの物件もあるので一概に旧耐震だからダメだということではありません。
ただ、ローンを利用する場合は古すぎるとローンが使えない場合があるのでローンを使う場合は耐用年数が残っている築30年くらいまでを狙うのがいいです。
取引対応
ここに専任媒介と書いていれば自社で買い取らずに三為取引をしている囲い込み物件の場合が多いので、価格交渉がしやすいです。
逆に売り主と書かれている物件であれば業者が買い取っている物件なのであまり大幅な値引きは期待できないかもしれません。
管理会社
駅前の不動産屋さんとは違って、建物を管理する会社のことをいいます。
例えば共用部の掃除や細かい修繕などは必ずこの業者が手配して行います。また、修繕積立金の管理や大規模修繕の計画もこの管理会社が行います。
つまり管理会社次第でその物件の価値が変わってくるといっても過言ではありません。区分マンションの管理は業界で名の通った会社がやっていることが多いですが、もし聞いたことがない管理会社がやっている場合には注意しましょう。
また、管理会社の管理員が、駐在なのか日勤なのか巡回なのかをチェックします。常駐の場合は組合費から月20万円くらい支払うので戸数が200戸以下の場合はコストオーバーという見方をします。
設備
特に給湯器がガスか電気なのかは必ずチェックして下さい。
なぜかというと例えばガス給湯器なら取り替えるのに10万円程度で済みますが、電気給湯器だと30万円くらいかかったりします。例えば、築20年以上経っていて一度も給湯器を交換していない場合は壊れる可能性がかなり高いと言えます。なので交換費用を見越した買付をするようにしたほうがいいと思います。
また、エレベーターがある場合も要注意です。
エレベーターの交換となるとかなり大掛かりですし費用もめちゃくちゃかかります。交換する場合50戸以上であれば1人あたりの負担も少ないですが、もし30戸程度の小規模の物件であればあえてエレベータのない物件を選んだ方がいいかもしれません。
重要事項調査報告書
区分マンションでは建物の管理状況や規約、設備に関する状況が記録された重要事項調査報告書というものを管理会社が作成しています。
通常はこの報告書を仲介会社が取りよせることになっていて頼めば見せてくれます。報告書の内容は管理会社によってばらつきはありますが、必ず次のような調査項目が掲載されているはずです
①修繕積立金の総額
いくら溜まっているのか確認するのが重要です。築年数や過去の修繕履歴にもよりますが、ざっくり1部屋あたり100万円以上積み立てられているのが理想です。
例えば50戸のマンションだったら5000万円以上、100戸のマンションであれば1億円以上ということになります。ただ仮に50戸で2000万円くらいしか貯まっていなかったとしてもそれで一概に買ってはいけないマンションということにはなりません。
例えばそもそも毎月の修繕積立金が少ない物件かもしれませんし、毎月の積立額が家賃の5%程度しかない物件もあるからです。
一般的に管理費と修繕積立金は家賃の2割程度までは許容範囲ですから、積立額が少なくても買っていいと判断する場合もあります。
②管理費等の月額(売主負担額)
物件の販売図面でも確認できますが、実は管理費以外に町内会費や駐輪場の月額費用がチャージされていることがあります。これらの費用は割と馬鹿にならない費用もあるので必ずチェックしておきましょう。
③管理費等の滞納額(売主及び全体)
戸数が多いマンションだと管理費や修繕積立金を滞納している人がいる場合があります。
この滞納があるからといって一概に買ってはいけないマンションということにはなりませんが、もし何百万円も滞納がある場合には管理組合がそもそも機能していない恐れもあるので注意しましょう。
④組合の借入金
管理組合の財政が厳しい場合には借り入れをしているケースがあります。
単純に借り入れをしているからダメということはなく、きちんとした返済計画のもとで組合がローンをしているならOKです。しかし管理費が明らかに割高だったり過去の修繕費が高すぎる場合には管理会社に食い物にされている場合が想定されます。
そのせいで資金不足になってローンをしているなら将来的に首が回らなくなってしまう可能性もあるわけです。なのでローンがある場合には管理修繕費の相場などをしっかりチェックして管理会社の食い物になっていないかをしっかりチェックしましょう。
⑤専有部分使用規則
区分マンションは購入したあとに自分好みにリノベーションしたり、リノベーションしたあとに転売する人もいます。しかし、専有部分は自分のものだといっても全て自由にリフォームできるわけではありません。
例えば床材は防音性能の高いフローリング材が指定されていたり、組合によってはそのリフォームを組合に申請した後でないとリフォームができないケースもあります。
また、リフォームの際には共用部をしっかり養生しなければいけないと規定されいている場合もあります。ペットに関する規則や、ルームシェアや民泊が禁止されているところもあります。
このように専有部分の使用規則については事前にしっかり確認しておかないと思いどおりに運用できない可能性があります。
⑥計画修繕工事履歴
直近に大規模修繕を行っていればその積立額は少なくても問題ありません。ただし、築年数に応じた適切な修繕が行われているかは必ずこの履歴で確認しましょう。
また、修繕費が高すぎるのは管理会社に食い物にされている可能性があるので注意しましょう。現在賃貸中の物件であれば賃貸借契約書やレントロールの資料は必ず取り寄せてチェックしましょう。
まとめ
物件選びには様々な知識と経験が必要だと思いますので、これからも一緒に学んでいきましょう。