売値を見ると半値では買えません
今日のテーマは不動産の正しい値切り方についてウラケン不動産の動画から学んでいきましょう。
儲かる物件を手に入れる一番のポイント物件を安く買う事です。つまり物件を値切って買わなければいけません。業界用語ではこれを指値と言います。
根本的にプロの投資家と素人では購入価格の決め方が違います。普通の人の物件の探し方は、まず立地を見て物件を絞り込んで、次にその物件の価格を見て、例えば利回り8%で売られている物件だとしたら「300万くらい指値できれば9パーセントくらいは回るかな」「じゃあとりあえず500万くらい指値しとくか」みたいな感じで買い付けをしていると思います。
しかし、こういう売主が設定した値段からいくら安く買えるかと発想する人は、絶対に物件を半値で買うことはできません。プロの不動産投資家はこういう買い付けの方法はしません。
具体的に言うと売値はそもそも見ていません。売値を最初に見てしまうと、かえって半額で買うことは出来なくなってしまいます。
そこで今回は不動産を半値で買うためのテクニックをまとめたいと思います。
利回り30%というような利回りが実現できるようになるかもしれません。
それでは今日のトピックは5つでお話していきます。
①物件は価格を見ないで指値する
②指値の作法を必ず守る
③必ず元付業者と交渉する
④特約なしで買い付けする
⑤路線価で買う
①物件は価格を見ないで指値する
価格を見ないで指値するってどういうこと?
これは期待した利回りから逆算した値段で指値をするということです。売主が設定した価格からどれだけ値切れるかということを基準にするのではなく、自分が最初に決めた利回りになるような値段で指値をするということです。なぜならそういった買い付けをしなければ圧倒的に儲かる物件は買えないからです。
とはいっても物件情報を見れば目に入ってしまいますが、そこからいくら値切れるかという発想はしません。
では次に具体的にどうやって買い付け価格を決めるのか。
例えば築古戸建を買ってそれを貸した場合に家賃が7万円(年間家賃84万円)取れそうだとします。自分が狙う利回りが20%だとすると、”420万円”でこの物件を購入できれば利回り20%が実現するということになります。
しかしボロ戸建の場合はリフォーム代がかかるので、例えばそのリフォーム費用を100万円と見積もると420万円から100万円を引いて差し引き320万円で購入できれば、利回り20%が実現するので、買い付けの価格を320万円か300万円とします。
仮に売主さんがこの物件を1000万円で売却に出していたら320万円の買い付けは鼻であしらわれてしまうかもしれません。または売主さんの気持ちを害することになるかもしれません。しかし、自分が圧倒的に儲かる物件を買いたいのであれば、売主さんが設定した価格を見ていては買えません。
②指値の作法を必ず守る
物件を購入する際は売値ではなく自分が期待する利回りから逆算して指値をすることが重要です。しかし、いきなり売値の半値の買付証明をだしてはいけませんし、そういう買い付けの仕方は絶対に通らないのでやめましょう。
さらに物件を見学している際に「この物件ボロすぎるなぁ」「リフォームにめちゃくちゃお金かかるよ」「雨漏りもあるしこの金額じゃ買えないな」など建物にケチをつけながら内見するのもNGです。
実は不動産の値切り方には作法というものがあります。仮に売主さんがお金に困っていたとしてもできるだけいい人に買ってもらいたいでしょうし、売主さんの気持ちの問題もあるのでそういった相手の気持ちを考えた交渉をすることが重要です。
そして絶対にやってはいけないことが、いきなり買付証明書をFAXしてしまうことです。
ではいったい具体的にどうやって差しで交渉をすればいいのでしょうか。
まずは仲介業者に連絡をして「建物も気に入った、場所も気に入った、どうしても欲しい物件なんですが予算が足りないんです。貯金と親に借りたお金を合わせてもこれだけしか用意できません。なんとかこのお値段まで下がればすぐにでも買い付けをさせて頂きたいのですが」と、予算がこれしかないと仲介業者にまずは探りを入れることが重要です。「多分ダメかもしれませんが売主さんに交渉して頂けませんか」と、常に低姿勢でお願いすることが重要で売主さんがどこまで価格を下げれそうか探りを入れていくようにします。
ただ、このように探りを入れたとしてもほとんどが断られると思います。
仮に、そこまで言うなら買い付け入れてみてよと業者に言われても、買い付けが実際に通るのは10回に1回か20回に1回と、5%程度の確率です。
しかし、たとえ断られたとしてもここで引き下がってはいけません。「もし値段があうようでしたら是非ご連絡いただけますでしょうか」「または同じような物件が出てきたら是非買い付けをしたいと思いますのでご連絡いただけませんでしょうか」と仲介会社にお願いをしておくことが重要です。
③必ず元付業者と交渉する
物件の購入は必ず元付業者に買い付けをすることが重要です。
元付業者というのは売主と専任媒介契約を結んでいる業者のことで、それ以外の業者のことを一般業者と言います。
自分が一般の業者等で買い付け交渉をしたとしても、この一般業者は必ず専任業者を通じて価格交渉をします。その場合、売り手と買い手の両方に不動産業者が介在するので仲介手数料は3%ずつということになります。
例えば、物件価格が500万円の場合、片側3%の手数料となるとわずか15万円しか稼げませんし、さらに物件価格を値切られれば手数料も減ってしまうので買い付け交渉は通りにくいです。なので不動産の買い付け交渉では売主直の専任業者に交渉することが重要です。
専任業者であれば、売買がまとまれば売主・買主双方から合計6%の手数料が入るので、その分買い付けも通りやすくなります。
専任業者の見分け方は、物件のチラシの右下に取引態様に専任と書いてあればその業者が元付業者ということになります。逆に一般と書かれていたらその業者は客付業者ということになります。
ちなみに、売主と書かれていたらその業者が売主になるので物件の売買に仲介手数料はかからないということになります。
このように専任である元付業者につながれば価格交渉はスムーズにいく可能性がありますが、やはり大幅な値引き交渉は基本的に難しいのが普通です。
そこで買い付けを通してもらうために例えば専任業者とコンサルタント契約を結んで、売買交渉がまとまった時に別途1%程度の手数料を払うなど提案することも考えられます。
それでも交渉がまとまらない場合にはきっぱり諦めることも重要です。そもそも半値の買い付け交渉は良くても5%程度しか通りませんので自分の投資基準に合わない場合は「もし金額が下がるようでしたらまたご連絡くださいますか」といったん引くことも重要です。しかし、そうやってきっかけを作っておけば1年
後に半値近くで買えたりする場合もあります。
④特約なしで買い付けする
初心者の多くは、物件が古ければ古いほど瑕疵担保責任を付けたがりますし、ローンを使って購入する場合にはローンがつかなかった時に白紙撤回できるような特約を付けたがりますが、買い付けの時に特約をつけまくって半値の指値を通すのはかなり難しいでしょう。
半値で買い付けをする場合にはローン特約は付けず、「瑕疵担保責任を免除してもらっても構いませんのでこの金額になりませんか」と交渉しましょう。融資を使う場合には銀行から融資の枠をあらかじめ取り付けておかなければいけません。
融資枠を取り付けるための方法は一度同じ規模の物件で本当に融資審査をしてもらいうことです。そのダミー物件で融資承認が下りれば同じ規模なら融資が受けられる可能性が高いということになります。
自分には融資枠ありますので、ぜひ買い付けを通して頂けませんかと売主にアピールすることもできるようになります。
瑕疵担保責任に関しては昨年の民法改正で契約不適合責任という言葉に変わりましたが、これは瑕疵があった場合には買主は売主に損害賠償請求ができるという規定になります。ただし運用上に3カ月の契約不適合責任を入れるのが一般的ですが、これを物件を安く買う代わりに免責にしても構いませんということで買い付けを通りやすくします。
半値に値切られた挙句、瑕疵の保証もされたらたまりませんので、こういった特約を付けない代わりに物件を安くしてくれませんかと交渉していくわけです。
⑤路線価で買う
さて最後の掟は路線価で買う、です。買い付け価格の決め方は基本的に自分が期待する利回りが実現する価格で買うのが基本になりますが、ざっくり路線価以下で物件が買えるかどうかを基準にすることもあります。路線価は相続税の課税評価額を出すときの土地の平米単価のことですが、この路線価は公示地価の80%の価格になっています。ちなみに公示地価は実勢価格そのものですから、古家付きの土地が路線価で手に入れば短期的には絶対に損することはないということが言えます。むしろ買った瞬間に含み益が出てしまう状況になるわけです。
まとめ
物件を半値で購入することができれば、かなり健全な不動産投資が実現しますし、その後安定的に資産を増やすことができるようにもなります。このように不動産は買うまでのところでその後が決まってしまうので、何度断られてもめげずに買い付け交渉をしていきましょう。不動産は学べば学ぶほどリスクは小さくなります。